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【ショートストーリー】恋してみたら? 第4話 会いたくて <黎子(れいこ) 最終回>」★婚活コラム★

2014/03/04

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知っていますか
傷つくことより 失うことの方が
何倍も 何十倍も 悲しいってこと

「近くまで来た」というのが口実でなく、本当にモデルルームの傍まで
仕事で来たという所が何だか癪に障る。
貴史ほど格好良くないのも気にいらない。
だが、藤倉とは不思議に会話が途切れなかった。

数回2人で会う内に、随分前から知り合いだったような感覚になっていた。
だが黎子は、尚美に言われた“恋の鉄則”を忘れていない。
同じ過ちは嫌だ。

間違っても藤倉に執着しない為に、「エデン」を介して見合いもした。
最初の1人は会話のつまらなさに辟易したが、今夜の水野はスマートだし、
話も上手で笑わせてくれる…。
前菜を食べ始めた時に再びメール着信があったが、そのままにした。
帰宅後、開いたメールにはこうあった。

「会って話したい事があるんだ」。

来週末は、水野との次回デートの予定がある。
迷ったあげく、その日は無理、と返信した。
しばらく会っていない藤倉に話したい事が溜まっている。
でも即座に返信したり、ホイホイついて行けば甘く見られるかもしれないから…。

心が動きそうになる度、
「男性を安心させちゃいけない」
という尚美の言葉を思い出す。
彼女の耳に揺れていたピアスが、危険信号みたいに頭の中で煌めく。

ところが、その尚美が突然結婚するという。

「私からプロポーズしちゃったんです」。

不満げな黎子の気持ちを察したように、
「ほんとに好きになったら鉄則なんて考える余裕ないんですね」。
尚美は、照れ臭そうに笑った。

「何考えてるの?さっきからボーッとして」。

貴史が顔をのぞき込んでくる。
連絡を取らないでいると、彼の方から電話やメールが来た。
会ってみると、貴史は優しかった。
だが黎子の心はときめかない。
気づくと、二週間近く連絡の途絶えた藤倉の事を考えている。

シーソーみたい。思わず溜息が漏れた。
こっちが上がると向こうは下がって、こっちが背中を向けると…
藤倉は私に背中を向けたんだろうか?
ふいに、息が出来ない程の悲しみが襲ってくる。

その時、携帯が藤倉からのメール着信を告げて震えた。

「夕方の新幹線で大阪に行きます。急に転勤することになり、何年かは向こうなので、その前に話がしたかったけど残念。身体に気をつけて」。

けたたましい音が喫茶店中に響き渡った。
黎子が突然立ち上がった拍子に、椅子が倒れて転がったのだ。

「何時の新幹線? すぐ追いかけるからどこかで会える? 会いたいです」。

タクシーの中で返信した。
会いたい…何十回でも伝えたかった。
鉄則なんて!黎子は自分の頬をひっぱたきたくなる衝動に駆られている。
シーソーだって構わない! 私の愛が彼より重くて何が悪い?
背中を向けたら前に回って呼びかければいい!
このまま藤倉を失う事に比べれば、傷つく事なんか何でもないではないか。

夕陽が街をオレンジ色に染めていく。

黎子は、ただ真っ直ぐ前を見つめている。
あの角を曲がったら駅はもうすぐだ。

 

~黎子 終わり~

 

※転載元※ 婚活・女子会情報サイト【恋学】(http://koigaku.machicon.jp/)

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