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<治樹(はるき) 最終回>【ショートストーリー】恋してみたら? ★婚活コラム ~その2~★

2014/03/19

やさしいことばを持っている
案外正義感が強い 心配性
嬉しいとマバタキが多くなる事も
恋をして知った 新しい自分
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「やっぱり行けない。彼から聞いたんでしょ?」

メールは曜子からだった。
レモン色の傘は横断歩道の向こうに止まったままだ。

「何の事?とにかくおいでよ」
「うそつき。聞いたくせに」
「会って話そう」
「無理だよ。なんで怒らないの?」

「それは」、
と打とうとしてメール画面がおかしくなった。
焦って変な所を触ってしまったらしい。
こんな事なら流行りのLINEでも始めておけばよかった。
慌てて画面を戻し、「それは…」と入れた所に、次のメールが来た。

「ごめんね。ありがとう」

レモン色の傘が踵を返して去って行く。
治樹は伝票を掴んで立ち上がった。グラスが倒れ、テーブルが水浸しになった。

吉岡から電話があったのは、例のパーティの翌日だった。
「あの子はやめとけよ。ストーカーだから」

曜子が吉岡と付き合っていたなんて、真っ赤な嘘だと言う。
「お茶ぐらいは飲んだけどな。仕事頼んでたし、話があるとか言われてさ」

一方的に吉岡を好きになった曜子が追いかけ回していたらしい。
メールが山のように来たり、待ち伏せされたりした。
無視していたら、パーティに偽名で申し込んで来て…。

なんで怒らないか?それは…。
彼女を探して走りながら、治樹は打てなかったメールの続きを反芻した。

「それは、好きになったから」

はじめて、「好き」という気持ちが分かったから。

曜子が吉岡にまだメールを出していることも知っていた。
自分と付き合うのは、彼への当てつけなのだろうと薄々感じてもいた。
でも会いたかった。会えればそれでよかった。
37才にもなってどうかと思うが、そういった気持ちの全部を、彼女のお陰で知ったのだ。

“だから俺は怒ってなどいない”

治樹は走り続けた。
自分を濡らしているのが雨なのか、汗なのかさえ分からなくなっていた。

横断歩道を渡り、路地を抜け、商店街を過ぎたあたりで、前の角を曲がっていく彼女をみつけた。
速度をあげる。
もう少しで追いつきそうだ。

「曜子!」

夢中で叫んだ。

と、ちらっと振り返った彼女が駆けだした。
瞬間、鋭いブレーキ音が辺り一面に響き、治樹は思わず足を止めた。
その足元にレモン色の傘が、ふわりと飛んで来た。

まさか…

前方に目をやった治樹は、安堵の息を吐いた。
転んだ曜子が膝を押さえ半身を起こすのが見えたのだ。
大股で近づいて行った治樹の口から、予定外の激しい怒声がこぼれた。
「何やってんだよ!走るんなら前見て走れよ!」

好きになると本気で怒ったりもするらしい。

曜子は、「立たせて」というように右手を黙って差し伸べた。
おわり

 

※転載元※ 婚活・女子会情報サイト【恋学】(http://koigaku.machicon.jp/)

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