副業のパパ活で稼いだお金、税金はできれば払いたくない!と思いますよね。
でも、無申告がバレて延滞税等がかかり、「きちんと確定申告しておけばよかった・・・」と後悔する人も。
この記事ではパパ活にかかる税金について、事例も交えて詳しく説明していきます。
副業注意!パパ活には税金(贈与税・所得税)がかかり確定申告が必要
「お手当は現金手渡しでもらってるから税金払わなくても大丈夫だよ!」
これはよくある大きな勘違い。パパ活で男性から払われるお金は、家庭内で保護者からもらうお小遣いとは異なり、収入として税金(贈与税もしくは所得税)が発生します。
税金を払わなくていいと勘違いしたまま、収入を申告しない(無申告)でいると、数年後に急に税務署から税務調査が入ったりします。
パパ活での収入額によっては、追徴課税や延滞金でかなり高額な税金を納めることになってしまうことも。
後から無駄に支払う羽目にならないように、税金についてしっかり理解して、必要な手続きをとっておくようにしましょうね。
パパ活のお手当に税金が発生する理由
労働の対価としてもらったお金(給与所得)、個人事業主として得た売上や報酬(事業所得)、はたまた親や他人からのプレゼント等、お金を得る手段は様々です。
どのようにして稼いだ(もらった)ものであれ、一定以上の収入があった以上は税金がかかります。
所得税:「所得税は、個人の所得に対してかかる税金で、1年間の全ての所得から所得控除を差し引いた残りの課税所得に税率を適用し税額を計算します。」
所得税のしくみ|国税庁
贈与税:「贈与税は、個人から財産をもらったときにかかる税金です。(中略)一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。」
No.4402 贈与税がかかる場合|国税庁
そもそも確定申告とは?
所得税等の確定申告は、1月1日から12月31日までの1年間に生じた全ての所得の金額とそれに対する所得税等の額を計算し、申告期限までに確定申告書を提出して、源泉徴収された税金や予定納税で納めた税金などとの過不足を精算する手続です。
所得税等の確定申告とは|国税庁
小難しい言葉が多いですが、要は「1年間の所得をもとに税額を計算して、正しい額の納税をおこないましょう」ということです。
ここで気を付けたいのは、確定申告の対象となるのは「所得」であり、「贈与」を受けた額は確定申告の対象とならないということです。
贈与を受けた場合には、確定申告とは別の「贈与税申告」というものが必要となります。
本業で会社勤めをし、副業でパパ活をしている人は特に注意が必要です。
パパ活一本で生活している場合、収入が103万円以下であれば確定申告は必要ありません。
しかし、副業としておこなっている場合には、収入が20万円以上になったら確定申告をおこなわなければいけません。
確定申告や贈与税申告の対象になるケース、ならないケースはこのあと、具体的な事例を用いてわかりやすく説明していきます。
【事例で説明】確定申告・贈与税申告の対象になるパパ活の条件
事例①:大学生・アルバイトで月5万円、パパ活で月20万円の収入
アルバイトでの月5万円(年間60万円)の収入は、アルバイト先での年末調整で申告が完了します。
パパ活での月20万円の収入について、パパから「お小遣い」の名目でお金をもらっている場合は、基本的に「贈与」となり、「所得」ではありません。確定申告は所得についておこなうものなので、この場合は、パパ活収入についても確定申告不要となります。
しかし、贈与税申告は必要です。贈与税は、年間110万円以上の贈与を受けた場合に発生する税金です。
月20万円のお小遣いをもらっている場合、年間収入は240万円。110万円を超えた部分(240万円-110万円=130万円)にかかる贈与税申告をおこないましょう。
★注意:パパが複数人いる場合
「パパひとりあたり110万円以下にすれば大丈夫でしょ?」と思いがちですが、それは間違いです。
贈与税は、贈与者ごとではなく、贈与を受ける人ごとでの計算となります。何人からの贈与であろうと、合計110万円以上になれば贈与税申告が必要なので注意してください。
参考:No.4410 複数の人から贈与を受けたとき(暦年課税)|国税庁
事例②:本業は会社員で月20万円の給与・パパ活でも給与名目で月10万円
パパの節税・税金対策のために、パパ活女子を「秘書」などとして雇用し、給与として支払をしている場合。
パパが会社経営者の場合によくあるパターンです。この場合、贈与ではなく「給与所得」となりますので、所得税がかかります。
本業は会社員のため、パパ活は副業となります。副業収入が年間20万円を超える場合には確定申告が必要です。
【事例で説明】確定申告・贈与税申告の対象にならないパパ活の条件
事例①:本業は会社員で月25万円の給与・パパ活で月3万円のお小遣い
本業での収入(給与所得)については、勤務先での年末調整で申告が完了しますので、自身で確定申告する必要はありません。
パパ活での収入についても、お小遣い名目でもらっており「贈与」となりますので、確定申告の対象外です。
また、贈与額が年間110万円以下の場合には税金はかかりません。この場合は年間36万円の収入となるので、贈与税申告も必要ありません。
事例②:大学生・アルバイトなし・パパ活で月9万円のお小遣い
事例①と同じく、「贈与」の扱いとなるため、確定申告は必要ありません。
年間108万円の収入のため、贈与税申告もしなくてよいです。
★例外:
お小遣いの他にプレゼントをもらっている場合には要注意。
「贈与」の額の計算には、金銭だけでなくモノ(不動産、車、ブランドバッグやジュエリーなど)も含まれます。
例えば、上記の事例で、お手当のほかに50万円のブランドバッグをもらっていた場合。
合計158万円の贈与となるため、110万円を超えた部分(158万円‐110万円=48万円)には贈与税がかかります。贈与税申告しないといけません。
パパ活税金の注意点!
お小遣い名目の場合は「贈与」とお伝えしましたが、税務署の判断によっては「所得」として扱われる場合があります。
所得と贈与、どちらになるかの判断は、主に「反復継続性の有無」が基準になります。
複数のパパ相手に同じような行為を繰り返している場合、パパ活が”事業”とみなされ、贈与ではなく所得として申告しなければならなくなることも。
納税者支援センター | 相談 | 一般の方へ | 東京税理士会 | 公式サイト
↑こちらは東京税理士会のものですが、無料の税理士相談は各地でおこなわれていますので、少しでも不安があれば、自分で判断せずに専門家に相談することをおすすめします。
税務署にパパ活の収入がバレる理由・原因
ケース①アプリの運営会社やパパに税務調査が入った
パパ活のために利用していたアプリの運営会社や、お手当をくれていたパパに税務調査が入り、芋づる式に女の子へも連絡がくるケース。
そもそも税務調査というと、脱税の疑いがある会社に入るものというイメージを持ってしまいがちですが、税務調査を受ける可能性は誰にでもあります。
令和3年11月に国税庁から発表された「令和2事務年度法人税等の調査実績の概要」によれば、年間約25,000件の実地調査がおこなわれたそうです。
(※コロナ禍で実地調査件数は激減しており、コロナ前の平成30事務年度には、99,000件もの調査が実施されていました。)
アプリの運営会社に税務調査が入った場合、運営会社には会員名簿等の提出が求められます。名簿に記載のある女性はパパ活で収入を得ていると判断されるため、そこから女性個人にも調査がいくわけです。
また、パパが個人事業主や会社経営者であった場合、パパが税務調査を受けたことがきっかけで女性の無申告がバレることも。
パパが自分のポケットマネーでお手当を支払っているのであれば女性個人に調査がいくことはほぼありませんが、パパがお手当を事業の経費として計上している場合も多々あります。
経費計上しているということは、「いつ」「誰に」「いくら」払ったのか、帳簿に細かくつけてあるわけですから、女性が収入を得ていることは簡単にバレてしまいます。
ケース②不動産購入や投資など、派手な生活ぶり
申告している収入が少ない、もしくはそもそも申告していない女性が、不動産を買ったり、株などの投資・資産運用に多くの資金を投入している場合。
不動産を購入した場合は不動産登記をしなければなりませんし、株等の損益については金融機関から「年間取引報告書」という正式な書類が発行されます。
収入が少ないはずの女性が不動産や株・ブランド品などの高価な物を購入していると、税務署から怪しまれます。
実は申告していない収入があるのではないか?と疑われ、購入資金がどこから捻出されているのかを確認するために、調査がおこなわれます。
また、不動産や車・株などのはっきりとした購入履歴がなくとも、疑いの目を向けられることがあります。
最近では、SNSで派手な生活ぶりをアピールしているPJアカウントをよく見かけますよね。
- 「Pからのプレゼント♡」
- 「太パパから50万円もお手当もらっちゃった!」
などの発信をしていると、税務署から目をつけられる原因になります。
前段でもお伝えしましたが、贈与には金銭だけでなく、物も含まれます。現金をもらっていないから大丈夫!・・・ではないので、ご注意くださいね。
ケース③税務署へのタレコミ
「この人はパパ活でたくさん稼いでいるはずです」と第三者から税務署に情報提供されてしまい、バレてしまった!ということもあります。
国税庁ホームページには、常時、情報提供窓口が用意されており、第三者からの情報提供を求めています。
インターネットでの口コミ投稿のような感覚で、簡単に情報提供ができてしまうのです。
(参考:課税・徴収漏れに関する情報の提供|国税庁)
情報提供元として多いのは、
- 友人・知人
- お別れしたパパ
身近なところに妬み僻みは転がっているものです。信用している友人に、パパ活での稼ぎの話をしたら、なんと情報提供されてしまった、なんてことも。
また、お別れしたパパ。特に女性側から別れを切り出した場合に多いです。「払っていたお金がもったいない!」と感じ、女性に損害を与えてやろうと嫌がらせで情報提供をすることがありえます。
パパ活の税金を確定申告をしていない場合の罰則
無申告、もしくは過少申告がバレたら、罰則があります。
罰則の種類は下記の通り。
- 延滞税
- 過少申告加算税
- 無申告加算税
- 重加算税
延滞税
延滞税:期限までに申告しなかった場合にかかる税金。実際に納付すべき税額に対して、以下の割合で加算されます。
- 納期限の翌日から2ヶ月を経過するまで:原則7.3%(年率)
- 納期限の翌日から2ヶ月を経過した日以後:原則14.6%(年率)
(参考:No.9205 延滞税について|国税庁)
過少申告加算税
過少申告加算税:誤って本来納めるべき税金よりも少なく納めていた場合にかかる税金。
過少申告加算税の金額は、新たに納めることになった税金の10パーセント相当額です。ただし、新たに納める税金が当初の申告納税額と50万円とのいずれか多い金額を超えている場合、その超えている部分については15パーセントになります。
No.2026 確定申告を間違えたとき|国税庁
ただし、税務署の調査を受ける前に自主的に修正申告した場合には、過少申告加算税はかからず、延滞税だけで済みます。
無申告加算税
無申告加算税:申告をすべき人が、忘れていて申告していなかった場合にかかる税金。
納付すべき金額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分については20%が加算されます。
重加算税
重加算税:故意に過少申告をおこなったり、無申告だった場合に課せられる税金。
“故意に”という部分が重要です。故意か過失かの判断は税務署がおこなうことになりますが、1度の無申告(過少申告)で故意と判断されることはほとんどありません。
しかし、無申告(過少申告)を繰り返した場合には、故意と判断されて下記の通りかなり重い加算税を課せられることとなります。
確定申告でパパ活(副業)が会社にバレる可能性もある
本業で会社に勤めつつ副業としてパパ活をしている女性にとって、一番気がかりなのは「パパ活が会社にバレてしまわないだろうか?」ということでしょう。
確定申告で会社に副業がバレる理由は、「住民税額が高すぎるから」です。
会社からの給与分は、会社が年末調整をしてくれています。そのため、会社は、「この人の収入であれば住民税はだいたいこれくらいのはず」という検討がつきます。
しかし、確定申告をすることで、住民税額が高くなり、会社からすると「何故こんなに高い税額なんだろう、給与以外に収入があるのではないか?」とわかってしまうのです。
住民税額が会社にバレるのを防ぐ方法は簡単です。確定申告する際に、住民税の納付方法を選ぶ欄がありますから、そこを「自分で納付」にしましょう。
そうすると、自分の家に納付書が届き、税額を会社に知られることなく住民税を納めることができます。
ただし、この対策をとっても、会社に何も通知がいかないわけではありません。会社には、「住民税額ゼロ」という通知がいっています。(自分で納付するため、給与から差し引いて納付する額はゼロである、という意味の通知)
経験豊富な人事部の社員であれば、【住民税額がゼロ⇒確定申告をして「自分で納付」を選んでいる⇒何か副収入があるのを隠そうとしている?】と推理し、疑いの目を向けてくる可能性はあります。
会社によっては、上記対策をとっても100%安心というわけではないことは頭に入れておいてください。
ちなみに、贈与税申告であれば、所得税や住民税とは関係ないので、会社にバレる心配は全くありません。
副業禁止の会社で、絶対に何としてもバレたくない!という場合は、パパには給与名目ではなく、お小遣いとしてお手当をくれるように依頼しましょう。
【結論】パパ活で税金を払いたくない・確定申告したくないなら
先にお伝えしておきますが、以下の方法は絶対ではありません。
多少はバレにくくなるかもしれませんが、100%ではないということだけはしっかり覚えておいてください。
パパとの別れは円満に
税務署にパパ活の収入がバレるケース③でお伝えした通り、税務署への情報提供が理由で調査に入られることもあります。
面倒であっても、一方的にブロックして終わらせるのではなく、「資格勉強で忙しくなる」「家族にバレてしまったから辞める」など何らかの理由をつけて出来る限り円満なお別れに持ち込みましょう。
関係を断ちたいパパであっても、余計な恨みは買わないに越したことはありません。
パパ活をほのめかさない
高収入を得ていることや、たくさんのブランド品をもっていることなど、アピールしたくなる気持ちはわかります。
しかし、収入を得ているにもかかわらず税金を納めたくないのであれば、そのようなアピールは絶対禁止。
SNSへの投稿はしない。信用している友だちであっても話さない。
どこから情報がバレるかはわかりませんから、ネット・リアル関係なく、パパ活をしていることを絶対に人に話さないようにしましょう。
高額な買い物・契約に注意
申告している収入以上の買い物をすると、バレるリスクは格段に高まります。
不動産の契約はパパにしてもらうなど、契約上、自分の名前を一切出さずに済ませられると良いですね。
もし自分で契約するとなると、バレる可能性はかなり高いので、パパに契約してもらえない場合は購入を諦めたほうが良いかもしれません。
お金の流れはわからないように
税務調査から調査の為に提供を求められた場合、金融機関は顧客情報の提供を拒むことはありません。
銀行であれば入出金明細や口座引き落としになっている料金など
カード会社であれば、クレジットの利用明細など
様々な情報が税務署に提供されます。
- お手当は口座振込ではなく、現金・手渡しでもらう
- もらった現金は口座に入れず、現金のまま手元保管
- クレジット支払は避け、現金で買い物する
など、お金の流れがあとからバレないようにしましょう。
【Q&A】パパ活の税金・確定申告について
【まとめ】パパ活の税金・確定申告について最低限のことは知っておこう
税金の話となると、複雑で面倒くさいですよね。
でも何も知らないままテキトーに済ませていると、数年経ってから多額の税金をとられて損することになりかねません。
自分の収入が「所得」なのか「贈与」なのか、そこの判断がつけば意外と簡単です。自分の判断に自信がなければ、税理士に頼るのもおすすめです。
せっかくもらったお手当、全額自分のものにしたいところですが、収入は収入なので、納税しないといけません。
脱税にならないよう、税金について最低限の理解はしておきましょう。
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